Chat Noir -バイオハザー度Max-
「おはよ。どしたの?」
私は目をぱちぱち。
涼子は1限目の授業“脳疾患と遺伝子”を取ってる筈だったから。
「うん、今日はちょっとサボリ…」
珍しく歯切れ悪く俯いて涼子は研究室に入ってきた。
「珍しいね。サボリなんて」
涼子にコーヒーを勧めて私も顕微鏡の前から離れた。
何か相談ごとでもあるのかと思ったから。でも涼子は全然的外れなことを聞いてきた。
「ねぇ昨日どーだった??」
「昨日……?」
「そ。黒猫くんのお父様に挨拶にいったんでしょ?あんたバイト大丈夫?」
そう聞かれて、
「ああ!」ようやく合点がいって大きく頷いた。
そのあと色々あって(いや、実際何もなかったんだけど)お父様のこと一瞬だけ忘れかけてたよ。
私は黒猫とみけネコお父様に挨拶に行ったときの話をかいつまんで聞かせた。
「は~良かったね。親公認??
安心したから?あんた今日化粧のりいいね。肌艶とか…うらやましいわ」
そうゆう涼子は疲れていそう。家に帰っても植物のプランターばかりに囲まれて、研究成果を気にしてるからか?
私は「肌艶」と指摘されて頬に手を当てた。
「これは黒猫の天然コラーゲンのおかげかも」
「黒猫くんの…天然コラーゲン!あんたとうとう!」
涼子は何を勘違いしたのか、疲れを吹き飛ばすような笑顔を浮かべて、
「違っ!ちょっとハプニングで!!」
またも私は昨日黒猫が家に泊まったいきさつと、そして今朝も途中まで一緒だったことを話し聞かせた。