Chat Noir -バイオハザー度Max-




――――


――


その日私は一日中涼子と溝口さんのことを考えていた。


美男美女カップルでお似合いだと思うんだけどな…


溝口さん営業成績も良さそうだし経済力はありそうだ。


独り暮らしだし?車持ってるし。


って、私はイヤラシイ考えしか浮かんでこなくて、その考えを打ち消すかのように頭の上で手をひらひら。


男は金じゃない。


黒猫じゃないけど“大人の男”ってのを意識して、でも“子供”な黒猫にだってそれ以上に魅力があるから付き合ってるわけだし。



―――…いつの間にか、私たちは純粋に恋をすることを忘れかけていた。


地位や財産抜きで、ただ「好きだから」と言う理由で人と付き合うことがなくなったように思えた。


だけど


黒猫と出逢って―――私は忘れかけていた何かを想い出せたんだ。




そーいや私…溝口さんのはっきりした年齢知らないや。


新卒で入社して3年って言ってたから、25ぐらいか??


全く興味がなかったから。こんなんならもっと色々聞いておくべきだった。


白髪予防の薬なんて研究してる場合じゃないって。


私は脳を“溝口研究室”に切り替えたけど、





軽い。





だめだ。レポートは一行しか思いつかん。


早々に諦めた。


こんなこと黒猫に知られたら、あいつ


『ほかの男のこと考えてんじゃねーよ』


ってまた怒るよね。ってか拗ねる。


黒猫、拗ね方も可愛いんだよね♪


って、また逸れてる!


と言う具合に溝口さん、黒猫、溝口さんと言う感じで考えがいったりきたり。


溝口さん…黒猫…黒猫、黒猫…







倭人








結局最終的には黒猫倭人に行き着く私。


黒猫は―――忘れかけていた何かをもたらしてくれただけじゃなく





ピュア過ぎる恋心も



届けてくれた。




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