Chat Noir -バイオハザー度Max-
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あれから一週間。カレンダーが11月をめくった。
私たちの間には相変わらず進展ナシ。
先週一週間は黒猫がテスト期間だったから当然色っぽい雰囲気になることはなく、
私たちは文字通り真剣に“お勉強”
ってお付き合いしてすでに三ヶ月経とうとしてるのに、いきなり進展があったらねぇ、苦労しないって。
カリンちゃんのことも気になってたけど、黒猫の口からカリンちゃんの話を一切聞かないってことは何もないのかな…
トラネコリョウタくんの話は良く聞くけど。
まぁ黒猫にとっては“妹”みたいだし、妹とはそんなに会話しないか。
と不安になりつつも、試験明けに黒猫がお外デートに誘ってくれた。
普段行くことない大きなショッピングセンター。
そこでウィンドウショッピングしたり、カフェでお茶したり。
久しぶりのデートにいつになく二人テンション高く…ってわけにはいかない。
私も黒猫もどっちかって言うとテンション低いし、マイペースな黒猫はちょっと目を離すとお店の中から居なくなっちゃったりとか。
私の服を買いについてきたいと言い出した本人はショップの中で姿を消した。
「え?倭人!」
慌ててきょろきょろと探すと、洋服の棚の向こう側からにゅっと顔を現した黒猫。
「びっくりした?」
ちょっとにやりと笑って、私は目をまばたいた。
「当たり前でしょ。ちゃんと近くに居てよ」
服屋でかくれんぼか。
まったく…無邪気って言うのか、子供っぽいって言うのか。
でも可愛いし……
結局気に入った服がなくてショップを出たけど、そんな子供みたいなショッピングも楽しかった。