Chat Noir -バイオハザー度Max-
黒猫…
「そ、想像(てか妄想)したに決まってンじゃん」
私は照れ隠しにちょっとそっけなく言うと、
「ふっ」
黒猫はまたも意地悪そうに口の端を曲げて涼しく笑う。
黒猫…またも演技かよ。また私を騙したのかよ。
「てかあんたは?まさか違う女の人とのことを想像したんじゃないでしょーね」
ちょっとつっけんどんに言ってやると、
「まさか。
違う女なんて想像できねーし」
と同じだけつっけんどんに返ってくる。
「じゃ、私が隣に居るのを想像した?」
今度は私が意地悪な顔で黒猫の顔を下から覗き込むと、
「……当たりまえじゃん。ちょっと…いやだいぶ?
想像したし」
と口元を覆ってふいと顔を逸らす黒猫。
またもほんのり頬が色づいていて、
『想像したし』
の一言にキュン!と心臓がねじれた。
想像したし。
想像した
想像……
だめだ。
黒猫の声がいつまでも心の中でエコーして、私の脳は再び変態バイオハザードウィルスにのっとられたみたい。