Chat Noir -バイオハザー度Max-
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溝口さんがカフェで派手に…いやいやロマンチックに愛を告白してから一週間が経った。
「聞いて、朝都~♪こないだ溝口さんと水族館行ってきたの」
今まで溝口さんにラブの“ら”の字もなかった涼子がまるで乙女のように頬をバラ色にさせてうっとりと顔の前で手を組む。
てか水族館ごときでその浮かれよう…
私のこと言えないわよ?
「これ、お土産~」と手渡されたのはちっちゃなお魚の形をしたビスケットだった。
淡いブルーのパッケージに同系色のリボンが結んである。
「溝口さんがね、このリボン花嫁さんがつける※サムシングブルーみたい、って♪」
あっそ。
※サムシングブルー(「何か青いもの」と言い 花嫁の純潔の象徴を示します。
その青は人目に付かぬよう花嫁の身に付ける事とされており、ガーターに青のリボンを飾るのがポピュラーです)
てか溝口さん詳しいな。
「朝都に幸せのおすそ分け。どっちが早く結婚するか競争しよ♪」
って…いやいや、絶対あんたたちの方が先でしょ。
てか黒猫はサムシングブルーの意味すら知らないだろうな。
その場でお魚ビスを一口食べたけど、涼子の恋バナはそれよりも甘かった。
幸せそうで何より。
キューピッド?的な役割の私は大いに満足。
―――
しかし
同じ日。
「朝都さん聞いてください!」
と駆け込んできた溝口さんの登場にはちょっとうんざり。
しかも涼子と同じお魚ビスをお土産に持参して。
しかも何故か二つ。
「聞かなくても分かります。涼子と水族館行ったんでしょう?」
「何故それを!?朝都さんエスパー?読心術??」
「んなわけないでしょ?心理学は大の苦手です。
涼子から聞いてたんです」
白い目で溝口さんを見ると、溝口さんはちょっと照れながら頭の後ろに手をやった。
「恋バナっスか」
「恋バナです」
溝口さん、私に麻酔を打たれたくなかったら、失礼なこと言わないでくださいね。