Chat Noir -バイオハザー度Max-



――――


「も、もしもし!」


『…もしもし』


「…も、もしもし?」


『はい。もしもし…』



………


何をやってるかって?


黒猫と電話ちゅーです。


黒猫と電話……もうお付き合いして三ヶ月以上経つってのに…苦手。



元々、一緒に居ても何を考えてるのか全く読めない黒猫相手に、何を話していいのか分からず


顔が見えない電話だと変な間が…


そもそも私も意味もなく長電話は苦手だし。



でも


用がないのに電話するって恋人同士の特権じゃない?


涼子と溝口さんなんて、毎日電話で一時間以上も話してるってのに…


お互いマメじゃない私たちは電話もメールも極端に少ない。


てか用件もないのに何を話せばいいの?





ただ単に声が聞きたかったから―――とか…





その一言が言い出せない私。


恥ずかしすぎる。


……って、今更何照れてんのよ、私。たかが電話ぐらいで。


『―――倭人ぉ。早くしねぇと焼きソバパン売り切れっぞー』


遠くで黒猫を呼ぶだんすぃの声が聞こえて、私は研究棟の壁に飾ってある時計を見上げた。


ちょうどお昼どきだ。


『ぅいーっす』と倭人が返事をかえして、


「あ!ごめん。お昼だったよね」


慌てて言うと、


『……うん』


とまたもそっけなく返事がかえってくる。


「特に用はないの。変な時間に電話掛けてゴメンナサイ」


『そう?んじゃ』


とまたもあっさり。



別に恋人同士なのにいいじゃん?私何謝ってンの…と自己嫌悪~に陥りながらも


通話を切った。






< 283 / 465 >

この作品をシェア

pagetop