Chat Noir -バイオハザー度Max-
――――
「も、もしもし!」
『…もしもし』
「…も、もしもし?」
『はい。もしもし…』
………
何をやってるかって?
黒猫と電話ちゅーです。
黒猫と電話……もうお付き合いして三ヶ月以上経つってのに…苦手。
元々、一緒に居ても何を考えてるのか全く読めない黒猫相手に、何を話していいのか分からず
顔が見えない電話だと変な間が…
そもそも私も意味もなく長電話は苦手だし。
でも
用がないのに電話するって恋人同士の特権じゃない?
涼子と溝口さんなんて、毎日電話で一時間以上も話してるってのに…
お互いマメじゃない私たちは電話もメールも極端に少ない。
てか用件もないのに何を話せばいいの?
ただ単に声が聞きたかったから―――とか…
その一言が言い出せない私。
恥ずかしすぎる。
……って、今更何照れてんのよ、私。たかが電話ぐらいで。
『―――倭人ぉ。早くしねぇと焼きソバパン売り切れっぞー』
遠くで黒猫を呼ぶだんすぃの声が聞こえて、私は研究棟の壁に飾ってある時計を見上げた。
ちょうどお昼どきだ。
『ぅいーっす』と倭人が返事をかえして、
「あ!ごめん。お昼だったよね」
慌てて言うと、
『……うん』
とまたもそっけなく返事がかえってくる。
「特に用はないの。変な時間に電話掛けてゴメンナサイ」
『そう?んじゃ』
とまたもあっさり。
別に恋人同士なのにいいじゃん?私何謝ってンの…と自己嫌悪~に陥りながらも
通話を切った。