Chat Noir -バイオハザー度Max-
「オシャレして可愛いだろ?
朝都のマウスも背中にイレズミ彫ってるから」
黒猫はちょっと得意げになって私の前でマウスをふらふら。
可愛い……そんなことを考える黒猫がね。
「さむしんぐぶるー」
黒猫がふいに呟いて私は、
「へ??」
と目をまばたいた。
「って言うんだろ?花嫁さんにつけるの。ペルシャ砂糖さんから聞いた」
あ、ああ…そいやペルシャ砂糖さんもお嫁さんになるんだったね。
「何か青いものを身に付けると花嫁さんは幸せになれるんだろ?
だからつけてみた。
このマウス、朝都みたいだから」
『だからつけてみた』って何だよ、その考え。またも無邪気。
ちょっと意味が違うような気がするけど、気にしない気にしない。
私をあんたの花嫁さんにしてくれるの?
何て思ったケド、可愛くない私はまたも減らず口。
「可愛いね。私のバイオハザードマークには負けるけど」
「ああ、まぁ色んな意味でね。食ったらウィルスに侵されるんだっけ?」
と黒猫が頷く。
「そーよ。近づくのも危険よ」
わざと大げさに両手を挙げると、
「危険と知ってても近づきたくなるのがネコだよ」
黒猫がコーヒーを持って私のすぐ隣に腰掛けた。