Chat Noir -バイオハザー度Max-


「でも三年半一緒に居て、何もアクション起こさなかった上野さんもねー…」


と溝口さんがタバコを口に含みながら苦笑い。


「言ったでしょう?あいつビビりだって。フられて今までみたいに一緒に居られなくなったらどうしよう、とか


考えてたんじゃないですか?」


涼子がちょっと笑って今度は鶏のから揚げを箸で取る。


この場に黒猫が居たらまっさきに手を伸ばしそうなプリプリモモ肉のから揚げ。


ネコって鳥も好きだしね。


って、違ーーーう!





「……私は…存在すると思う。


男女の友情―――…」




ぽつりと呟くと涼子&溝口さんが揃って私を注目。


ぅわぁ。何故二人とも私を見る。


たじろぎながらもぐいっとビールを煽る。





「あんたは存在する―――って思いたいだけなんじゃないの?」




涼子が目を細めて聞いてくる。


その声はちょっと低くて抑揚を欠いていた。


存在すると思いたいだけ……


「ちょっ…ちょっと涼子さん!朝都さんは失友したばかりで…」


溝口さんがあたふたと涼子と私に視線をいったりきたりさせている。






「だってしょうがないじゃないですか。


朝都が好きなのは黒猫くんなんですよ?


浩一と今すぐ友情を取り戻すには、浩一のことを好きになる以外方法はないんです」





はっきり涼子に言われて私は目を開いた。



私が浩一を―――……



それだけは…






だって私が好きなのは、私が手を繋ぎたいのは



キスをしたいのは、抱き合いたいのは







黒猫以外考えられない。






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