Chat Noir -バイオハザー度Max-
だからこの結果があるわけで。
もし黒猫より浩一の方が早く告白していたら―――…?
私は浩一を好きになっていたのだろうか?
―――「ない、ない!」
ちょっと考えて私は手を振った。
「「あ。やっぱり??」」
と涼子と溝口さんは納得顔。
「ねぇところで、このこと黒猫くんに話した?」
涼子に聞かれて私はブンブン頭を振った。
言えるわけ―――ないよ。
「ちゃんと話した方がいいわよ?あとあとトラブルになるだろうし。
あんたと浩一が今絶縁状態でも、やっぱり黒猫くんは心配するよ」
『絶縁状態』ってとこにガーンと落ち込むも、
やっぱり言っておいた方がいいのかな…と考える。
あ…考えたらまた胃がキリキリ…
胃を押さえて俯いていると、
「ま、まぁ。それこそタイミングの問題だし!朝都さんが落ち着いたらでいいんじゃないですか?」
と私の不調をいち早く見抜いた溝口さんがわたわた。
考えたら溝口さんが一番大変よね。何せ1,000万円の契約パーになっちゃったわけだし。
(まだ決まったわけじゃないけど)
なのに私を励ましてくれて…じーん
「暗い考えはやめやめ!今から溝口さんの励まし会に切り替えるわよ!」
私は頭を振って溝口さんの肩をポン。
「そーだった…俺……契約…」
私の言葉に急に沈みだす溝口さん。
「ほ、ほら!私も失友したしぃ。おそろですよ、お・そ・ろ」
ワケがわからない慰め方で溝口さんに笑いかけると、
「朝都さんとお揃いでもねー」といつも通り失礼な溝口さん。
結局、その後は三人でくだらない会話をしながら話は逸れ、
十一時になって解散した。
黒猫に言うべきだろうか。
浩一から告られたってことを。
いや、浮気したわけじゃないしね。何かあったわけでもない。
まぁちょっと抱きしめられただけよ。
そこが問題だっつうの!
さっきからずっとぐるぐる同じことを考えている私。
話す話さない―――…と言う問題の前に、
アパートまでの夜道を一人、歩きながら
「黒猫……
倭人…
会いたいよ」