Chat Noir -バイオハザー度Max-
思わず本音が出る。
三つのing…かぁ。
『そう思ったのなら行動するのが一番』
溝口さんの話を…黒猫の言葉を…思い出して、アパートの方向を向いていた私の足はぴたりと止まった。
会いに行こう。
そう思ったけれど、
「門限11時半じゃん。…てかあいつ今は外出禁止だったわ」
私の飼い猫は、里親のおうちに閉じ込められている。
今日はお父様はお店の定休日だし…
でも、まぁおいたをしたあの子がいけないわけだし…
タイミングが合わないなぁ。
がくり
項垂れて私は大人しくアパートまでの道のりを急いだ。
私も気まぐれだから、今会いたいと思っても明日になったらちょっとは落ち着いてるかも?
そう言う意味で一晩を過ごし、
でも『会いたい』って気持ちが次の日に薄れることはなかった。
むしろ会えない状態で、その気持ちがどんどん膨れ上がり、午後にはとうとう禁断症状が。
「く…黒猫ぉ…私のネコちゃん…」
手を震わせて講義室の机に突っ伏していると、
「バイオハザードウィルスのせいね。今日は研究休んで会いに行ったら?」
と同じ講義を取っている涼子が隣で呆れたように吐息。
「だってこれからまだ最後の講義が…」
「この講義大して訳に立つわけじゃないじゃん。いっつもワケ分からないスライドショーだし。
私が代返しておいてあげる」
涼子のありがたい言葉を最後まで聞かずして私はすでに荷物を片付けていた。
「あんた、帰る気満々ジャン」
呆れたように言われて、
「今度コーヒーおごる。代返お願いね!」
私は講義室を飛び出した。