Chat Noir -バイオハザー度Max-
黒猫の意地悪そうな笑顔に思わず私は黒猫を殴るフリ。
「ち、違うわよ!ちょっと気になったから聞いただけヨ!」
黒猫はちょっとだけ笑って、
「あいつは妹だって。
まぁ十年以上一緒につるんでるってのもすげぇことだよな。
中学ならまだしも高校も一緒だし」
とちょっと遠くを見やる。
十年以上―――かぁ。
私は―――…私には、そこまで長く一緒に居た友人が居ないからその感じが分からない。
「この先、大学とか進学したらさ、さすがに離れ離れになるよな。
そんでそれぞれ新しい友人もできて―――それぞれ恋もして。
いいことなんだけど寂しい気もするってかさ。
いつまでも三人一緒に居られないって言うか」
黒猫が遠くを見つめながらいつになく真剣に言って。
いつまでも一緒に居られない―――…
それは私と涼子、そして浩一との関係にも当てはまる。
「ホントは気付いてるんだ」
その一言にドキリと心臓が嫌な音を立てた。
黒猫はカリンちゃんの気持ちに気付いてるのか、と。
でも
「そのいつか―――…
それはもう徐々にはじまっていたのかもしれない。
成長して体が大きくなると、心も成長するっていうか…
いつまでも子供のままの俺たちじゃないてことに」
心が成長…
カリンちゃんは黒猫が好きで。
トラネコくんはカリンちゃんが好きで―――
私は黒猫が好きで
浩一は私を―――好き……?
いつからバランスが崩れたんだろう。
そのバランスの崩れから目を逸らしているのは
一体誰なのだろう。
幼馴染って……
ううん、親友でも
ムズカシイ。