Chat Noir -バイオハザー度Max-



黒猫の意地悪そうな笑顔に思わず私は黒猫を殴るフリ。


「ち、違うわよ!ちょっと気になったから聞いただけヨ!」


黒猫はちょっとだけ笑って、


「あいつは妹だって。


まぁ十年以上一緒につるんでるってのもすげぇことだよな。


中学ならまだしも高校も一緒だし」


とちょっと遠くを見やる。


十年以上―――かぁ。


私は―――…私には、そこまで長く一緒に居た友人が居ないからその感じが分からない。





「この先、大学とか進学したらさ、さすがに離れ離れになるよな。


そんでそれぞれ新しい友人もできて―――それぞれ恋もして。


いいことなんだけど寂しい気もするってかさ。



いつまでも三人一緒に居られないって言うか」





黒猫が遠くを見つめながらいつになく真剣に言って。





いつまでも一緒に居られない―――…



それは私と涼子、そして浩一との関係にも当てはまる。




「ホントは気付いてるんだ」



その一言にドキリと心臓が嫌な音を立てた。


黒猫はカリンちゃんの気持ちに気付いてるのか、と。


でも




「そのいつか―――…


それはもう徐々にはじまっていたのかもしれない。


成長して体が大きくなると、心も成長するっていうか…




いつまでも子供のままの俺たちじゃないてことに」




心が成長…


カリンちゃんは黒猫が好きで。


トラネコくんはカリンちゃんが好きで―――



私は黒猫が好きで



浩一は私を―――好き……?




いつからバランスが崩れたんだろう。



そのバランスの崩れから目を逸らしているのは





一体誰なのだろう。





幼馴染って……


ううん、親友でも






ムズカシイ。







< 360 / 465 >

この作品をシェア

pagetop