Chat Noir -バイオハザー度Max-
ぎゅっ
またも私の首の後ろに手を回されて、私は黒猫に抱き寄せられた。
「他の男の匂いなんて移してくんなよ。
俺、こー見えても独占欲強いんだぜ?」
こー見えても…って、それは知ってます。
「…朝都のことだから、言い出せなくて一人悩んでたんだろ?
ごめんな。俺、怒ってたわけじゃないから」
黒猫が優しく言ってくれて、私の肩を両腕で包む。
黒猫のあったかい腕―――
その温かい体温に包まれて、じわり…
またも私の目尻に涙が浮かんだ。
「なんか…泣かせちゃってごめんなさい」
黒猫が困ったように呟いて私の目尻にたまった涙をそっと指の腹でぬぐう。
「責めるようなことしてごめんね?」
『ごめんね』
その言葉を黒猫の口から二回も聞いた。
私こそ
「今まで言い出せなくて、ごめんね。
私が好きなのは倭人だけ―――」
そう言って黒猫の腕に縋りつくように手を乗せると黒猫が少しだけ微笑した気配があって
私の首元に顔をすりすり。
ネコに擦り寄られている感じしかないんだけど、きっとそれが
倭人の
愛情表現なんだ―――