Chat Noir -バイオハザー度Max-



その日、私は涼子と買い物に行く予定だったけど。ついでに黒猫のことを相談したかったけど


「ごめん、朝都!急用ができた!」


と涼子にドタキャンされた。


「急用って溝口さん?」


涼子がドタキャンするのははじめてのことで、よっぽどのことかと思った。


別にいいけど。普段ちゃんとしてくれてるし。


「体の半分は…って言うか血の半分??DNAか…」


と涼子は疲れた顔で謎な言葉。


DNA??


「実はね、溝口さんのお姉さんがこっちに出張なんだって」


ああ、あの面白いおねーさま。


「明日帰っちゃうから、是非飲みに行きましょうって誘われちゃってさ」


「へぇ~溝口さんと三人で?」


「ううん、二人で!朝都どーしよう!!いきなり二人とか!」


と涼子は泣きそうな顔で私に縋ってくる。


「別に大丈夫じゃない?私も一回会ったけど楽しい人だったよ。


ブラコンて感じじゃないし


“あんたは弟にふさわしくない”ってタイプじゃないわよ?」


「分かってるけど。


緊張するじゃない!いきなり彼氏のお姉さんと二人きりって!」


涼子は顔を青ざめさせて、まぁ分からないでもないかな。


私だってみけネコお父様と二人きりだと緊張するし。


と、同情していると、


TRRR


私のケータイが鳴った。


着信:ペルシャ砂糖さん


となっていて


「へ!!?」


驚きながらも電話に何とか出ると


『朝都さん?ごめんなさい、突然電話しちゃって』


とペルシャ砂糖さんの申し訳無さそうなか細い声。


今にも泣き出しそうな声に私はまたまたびっくり。


「ど、どーしたんですか!まさかお父様と喧嘩??」


と何とか聞くと、


『しくしくしく…』


ペルシャ砂糖さんは電話の向こうで静かに泣き出した。


私の方も大変みたいよ?涼子。






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