Chat Noir -バイオハザー度Max-



「何で~?いいじゃない」


と溝口おねーさま。


「…やっぱりおいしい手料理を作ってあげたいってのはあるじゃないですか。


それで“おいしい”って言ってもらいたいじゃないですか。


男だから、とか女だから、とか言うわけじゃないですけど…


それに“こいつ料理下手”とか思われたくないし…」


「そーゆうもん?」


と溝口おねーさまが私に同意を求めてきて、私はちょっと首を捻った。


「…わ、私大して取り得もないし、せめて疲れた旦那さまをおうちで癒してあげたいのに


うまく出来なくて…」


じわり…


ペルシャ砂糖さんは目尻に涙を浮かべて俯く。


「ぺ、ペルシャ砂糖さん…じゃなくて、カズミさん!


カズミさんは居るだけで癒しになってますから大丈夫ですよ」


私は隣であせあせ。全然慰めになってないだろうけど。


「健気ねぇ」


と溝口おねーさまは感心。


「大丈夫ですよ!料理がダメならお掃除とか!」と涼子も必死に励まし。


「朝都ちゃんは?倭人くんに手料理とか振舞ったりする?」


レースの可愛いハンカチで目尻を押さえながら、ペルシャ砂糖さんが聞いてきて


「私?あー…、一回…?いや味噌汁入れたら三回ぐらい??」


「倭人くんは何て?」




「何てって…ハンバーグ作ったときは“これをおかずにごはん三杯はいける”って言ってて、

味噌汁のときは“俺の味噌汁を毎日作ってください”って言ってたような…」






「何それ!エロっ♪」
「何それ!プロポーズじゃない!!」





溝口おねーさまは楽しそうに顔を輝かせて、涼子は真剣な顔で机に身を乗り出してくる。



エロ…プロポーズ…とな…






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