Chat Noir -バイオハザー度Max-
まぁ味噌汁のときは私もプロポーズだと思ったけどネ。
「あいつ可愛い顔して私をからかっただけなのよ?」
黒猫のくせに。
「ラブラブじゃない♪もっと話聞かせてー♪」
溝口おねーさまが興味津々に聞いてきて、私は後ずさり。
話逸れてる!
私はすっかりぬるくなったコーヒーを一飲み。
またも苦さが喉を通り抜けて、私はテーブルのはしっこに置かれた砂糖のボトルを取り寄せた。
透明の瓶に入った角砂糖は…正方形の形ではなくて、ハートの形をしていてうっすらピンク色に染まっている。
おっしゃれ~だな。
とちょっと思って、それを一つだけカップの中にぽとり。
ハートの砂糖は黒い液体に溶けて……そこでようやくちょっとだけ味がマイルドになった。
そこで気付いた。
「私…夫婦って…カップルもですけど…足りないところを互いに補うものだと思います。
どこかできないからイヤって言うのは、それは違う気がするし。
そうゆう男はこっちから願い下げ。
みけネコお父様はそうゆう人じゃないし、全部をひっくるめてペルシャ砂糖さんのことが好きなんですよ」
黒猫も…
私のおっさん部分も受け入れてくれる。
『女らしくない』とは(黒猫だけじゃなく)良く言われるけど、
でもそれもひっくるめて
「好き」
と、言ってくれる。
私も―――
可愛いだけじゃなくて、マイペースで、ちょっと冷たいけど、ヤンチャで無邪気な黒猫の
全部が
好き。