Chat Noir -バイオハザー度Max-


トラネコリョータくんにも言われた。


そんなに…おかしいことなのかな。


ちょっと考えるように俯くと、


「まぁ~高校生だし?何かあっても責任取れないしね」


と溝口おねーさまが慌てる。


責任…かぁ。


「私としては健全なお付き合いで安心しますけどね。まぁ人のことを言える立場でもないけど。


でも溝口(おねーさま)さんが言うように確かに高校生では責任問題とかあるし」


とペルシャ砂糖さんはおっとり微笑む。


賛否両論だ。涼子だけは私のことを知ってるからそれについては深く突っ込んでこず、


「お姉さん、グラスが空になってますよ」


と言っておねーさまの空いたグラスの中にビールを注ぎいれる。




―――




賑やかな女子会の夜は淡々と更けていく。


私はタバコを吸いに小さなベランダに向かった。


黒猫のおうちの立派なバルコニーみたいな造りじゃないけど、タバコを吸うには充分だ。


小さな物干し竿が二本だけ。隣の部屋の境に冬に使う灯油の缶が置いてあるだけだ。


ビールの空き缶を灰皿代わりに部屋の窓を閉めてタバコを吹かしていると、


カラカラ…


窓が開いて溝口おねーさまがタバコの箱を手で握りながら来た。


「カズミちゃんが居るからあそこではね」


溝口おねーさまは部屋で涼子と談笑しているペルシャ砂糖さんを目配せ。


「隣、いい?」


と言われて私は慌ててずれた。


「どうぞ」


「ありがと」


溝口おねーさまはたった一言。だけどさっきまでのふざけた(?)様子ではなく、きれいな顔にぴったりくる上品な微笑を浮かべてる。


本来の―――溝口おねーさまはこうなんだろう…と


なんとなくそう思った。







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