Chat Noir -バイオハザー度Max-
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「穴があったら入りたい…」
涼子は私の目の前で項垂れながらインスタントの味噌汁をすすっている。
私だって埋まりたいよ…
当の黒猫はマイペースに味噌汁を飲みながら
「この歳できちょーな体験ができました。
ありがとうございます」
と相変わらずな発言。
「ぅわぁあああん!朝都~!!
見られたっ!現役男子高生に」
「そこまではっきりとは…黒とピンクのレースなんて俺、見てません」
黒猫はちょっと言葉を濁し顔を逸らす。
黒猫…涼子に気ぃ遣ったな??
でも…黒とピンクのレースって、しっかり見てるじゃない!
「わぁああああん」
涼子がまたもテーブルに突っ伏して、
私は思わず
「今見たことは忘れなさいっ」
黒猫の頬をつねると、
「いてっ!てか不可抗力じゃん!」
と、黒猫は猛反撃。
ま、まぁそうよね。
覗いたわけじゃないし、私が呼び出しておいて忘れてたわけだし。
しかもわざわざ起してくれたうえ、インスタントのお味噌汁まで作ってくれた黒猫を責める私が間違っている。
「大丈夫です。
俺、黒やピンクとかよりも朝都の青色水玉とかの方が普通に好きなんで。
色はパステルカラー、あとストライプとか。
萌え…?」
黒猫は真顔で涼子に語りかけ、
萌え…ってね。
黒猫……それはフォローしてるって言うのかなぁ…
でも
ふむふむ。黒猫はストライプとパステルカラーがお好みなのね。
って、
違~~~う!!
酔っぱらった勢いとは言え、
大・失・態!!!