Chat Noir -バイオハザー度Max-
私と涼子が味噌汁を飲み終えるのをきっちり見届けて、黒猫は腰をあげた。
「俺、そろそろ行くわ。バイトの時間だから」
「あ、うん。わざわざごめんね?」
立ち上がった黒猫を見上げると、
「いいよ。朝からいいもん見られたし。
ラッキ~だと思って仕事励んできます」
黒猫は悪戯っぽく敬礼の姿勢を取ると、ちょっと意地悪ぽく舌を出した。
ラッキー…てね。
まぁ呼び出したのは私だしこれ以上何も言えませんが。
私は玄関まで黒猫をお見送り。
「朝早くから宅急便ごくろうさま」
苦笑いでそう言うと、
「時間外だから特別料金発生します」
黒猫が広げた手を差し出してくる。
「なぁに?ツナ缶でも欲しーの?」
ちょっと腕を組んで黒猫を見上げると、
黒猫は私の頭をちょっと引き寄せて耳元でそっと囁く。
「涼子さんじゃなくて、今度は俺と添い寝してくれればそれでいーよ」
黒猫の言葉に顔がボっと熱くなる。
昨日の酔いがまだ完全に冷め切ってないせいもある。追い出したはずのバイオハザードウィルスがまたも元気を取り戻し、
私の頭をイケナイ想像だけが巡る。
私はその妄想を払うため頭の上で手をふりふり。
「請求書送っておいて」
またも可愛げのない返事を返して黒猫を見やると、黒猫はちょっと笑って
「集金に来ます♪」
黒猫は立ち去っていった。