Chat Noir -バイオハザー度Max-
「なんかさー、女の人が大きめのカーディガンとかパーカーとか羽織ってて、その肩からちょっとずり落ちてるのって
俺的には萌え」
あー…前も言ってたよね、そう言えば。
「朝都はセンスいいよ?
そーゆうのも結構好き。動きやすいの。
あとこないだの親父との食事会のときのコスプレとか
俺的にはあれが一番ヒット。
テンション上がった」
コスプレ…??ああ、涼子に「秘書」とか「エロい」とか言われたやつね。
てか黒猫テンション上がってたの??まったく分からん。
そうゆう黒猫だって私服はふつーにセンスいいと思うけど、学校とバイト先の制服はコスプレ
萌え……
「ねぇ浴衣は……?」
目だけを上げて探るように聞くと、
「浴衣?花火大会とかの?結構好きだけど。
てか嫌いな野郎なんていんの?」
と無邪気に笑う。
「でももー時期じゃないし。来年の夏??」
黒猫は手摺に手を置いて空を見上げる。
「ううん、今年の冬。
温泉あがりの……浴衣。
見たい??」
声が小さくなる。
黒猫が真顔で私を見下ろしてきて、私は恥ずかしさから思わずきゅっと手摺を握ると
「マジで?
超見たいし」
黒猫は白い頬をまたもほんのり赤く染める。
「じゃ、温泉旅行…行こ。
一泊ぐらいで」
私が黒猫の手をきゅっと握ると、
「今から楽しみ」
黒猫ははにかんだ笑顔を浮かべて私の手を握り返してきた。