Chat Noir -バイオハザー度Max-
「一泊旅行って行ってもね、涼子と溝口さんと四人でダブルデート的なものになるかもしれないけど。
でもそれだったらお父様も許してくれるでしょ?」
「てかこの歳になって親父の了承得るのもねー」
と黒猫は呆れたように遠くを見る。
「それはちゃんとしないとダメ!
旅行なんて言ったら絶対私と行くって疑われるでしょ?
あんたは男の子だけど、未成年なんだから」
ちょっと説教くさくなっちゃったけれどちゃんと言うと、
「はーい」と黒猫は大人しく頷く。
「まぁ涼子さんとマウスの人が一緒ならさすがにOKするだろうな。大人三人も居るし」
「そうよ~」
いつになく素直な反応の黒猫をよしよしするようにふわふわの頭をそっと撫でると、
「温泉卵とかさー、あれ好きなんだよね」
「私も~。んでもってお風呂上りはビールをくいっと一気飲み!♪」
はぁ♪想像するだけでしあわせ~
「アイスじゃないんかよ」
黒猫は呆れ顔だけど。
「何よー」
そんな他愛のない話をしていると、
「温泉、一緒に入る?」
黒猫がにやりと口の端を曲げて意味深に微笑む。
「き、機会と気合いがあったら!」
私の声は変な風に裏返った。誘ったのは私の方だってのに、妙に堂々としている黒猫。
温泉の前にフィットネスでも通おうかな…
とてもじゃないが黒猫の若くて引き締まった体の前にさらせる体じゃない。
あ、あと!可愛い下着も!買わなきゃっっ。
ブツブツ計画していると
「何で?いいじゃん、今のままで充分」
ぎゅっ
突如黒猫が私のウェストに手を回し、計り出した。
ギャァ!!
「あと、俺水玉とかストライプとか好き~♪」
ちゃっかりリクエストしてるし!しかも私独り言駄々漏れ??
「勝手に会話に入ってこないでよ!」
「一人で会話??それを独り言と言うんだよ」
「煩い!」
わ゛ーわ゛ー喚いていると、
ヴーヴー…
またも黒猫のケータイが振動した。