Chat Noir -バイオハザー度Max-
「知らなかった…
朝都てこーゆうの趣味??
参考にするつもりだったら趣味じゃないから」
ちょっと疑うような視線で見られて、慌てて黒猫の手の中にある雑誌を見ると
それは
お昼、溝口さんが貸してくれた雑誌だった。
つまり表紙にはエッろいおねーさんが面積の少ない水着姿で映っていて…
ぅわぁ!!
私は慌てて黒猫から雑誌を取り上げて
「こ、これは違うのっ!貰ったもので」
と言って背後に隠す。
「貰ったって誰に…。ふつー男が読むもんだろ?」
黒猫は不機嫌そうに眉をしかめて疑り深く私の背後を覗き込もうとする。
「み、溝口さんだよ!」
「マウスの人が何で朝都に?」
またも聞かれて、
ああ!もう言い訳できない。
私は諦めモードで素直に雑誌を開くと、ホテル一覧が載ってるページを黒猫に見せた。
きらびやかなホテルが何軒も載っているそのページを視界に入れたのか黒猫は目をぱちぱち。
ぅわぁあああん!!穴があったら入りたい!←本日二回目。
「わ…私が、倭人と二人きりになれるとこないかな、って相談したら
それくれたの。
温泉旅行も溝口さんが言い出してくれて」
考えが安易だったかもしれない。二人のはじめての夜の演出にこんなムードもへったくれもないところを選ぶなんて全然ロマンチックじゃないけど
でも
誰にも邪魔されないに二人だけの時間が欲しかった。
黙ったままの黒猫の反応を窺うようにちらりと目だけを上げると
黒猫は顔を赤くして口元を覆っていた。