Chat Noir -バイオハザー度Max-
「温泉前に行っとく?」
立てた両膝の上に手を乗せて首を傾げながら、じっと大きな目で見つめられて、
それだけで鼻血を出しそうになった。
あんたは何でそんなに可愛いのよ!
「き、機会があったら!」
恥ずかしさのあまり、声が裏返った。
きっと私、今黒猫みたいに顔が赤くなってるに違いない。
「の、喉渇いたな!何か飲み物」
シャキッ!
照れ隠しで立ち上がり、私はぎくしゃくしたまま歩き出すと、
「手と足一緒に出てるよ、おねーさん」
と黒猫が低く笑いながら後ろをついてくる。
何よ!年下の癖にっ。
黒猫に振り回されっぱなしの私。
でも
振り回されるのも悪くないかも。
それにしても…
ロシアン葵ちゃんの雑誌見られなくて良かった。
こそこそしてるみたいで、こんなの見つかったら
黒猫に呆れられそうだし―――