Chat Noir -バイオハザー度Max-




―――


涼子の言う通り、私相当だわ。あんな簡単で見慣れているはずの記号を間違えるとは。


一向に連絡ない黒猫のことを思い出すと胃がキリキリ。


この日は家庭教師のバイトだってのに、


「今日は休んだら?あんた顔真っ青よ?睡眠不足と栄養不足」と言って涼子がありがたいアドバイスをくれた。


いつもならこれぐらいの胃痛で休んだりしないのに、今日ばかりは私も無理…


と言う訳で…


「ごめん、ちょっと胃を壊しちゃって今日行けそうにないんだ。今度違う日に教えるから。


お父様にもそう伝えるから」


四日ぶりに会話を交わしたのは電話越し。


『胃痛?ってか大丈夫かよ。病院は?』


と黒猫が相変わらずの淡々とした声で聞いてくる。


「一日休めば大丈夫だと思う。最近研究ばっかだったから」


『あんた一人暮らしだろ?マジで大丈夫なんかよ』


とちょっと心配そうな黒猫。


「う、うん!大丈夫!!涼子がついててくれるから」


完全なるウソ。


キリキリキリ……


う゛~痛い…






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