こんな日は、君に会いたい。
『突然ごめん。今、大丈夫?』
ストンと心に落ちる、安心する声。
ああ、この感じが好きだ。
『うん、大丈夫。
あのね、私、太一に言いたいことがあって…』と切り出そうとしたところで。
『待って。』という太一の言葉に遮られた。
『尋、バイトから帰ってる途中?』
『うん、そうだけど…。
家の近くのコンビニあたりだよ。』
『あー、わかった。』
わかったって?という疑問はすぐ消えた。
「尋!!」
『尋!!』と後ろからと電話から、ほぼ同時に聞こえる。
驚いて、振り返ると。
「…なんでいるの、太一。」
400㎞先にいるはずの彼が、たった40m先に。
そして、さらに距離は縮まると、0m。
ぎゅっと、包まれた瞬間、堪えていた涙は溢れてしまった。