好きと嫌いは神一重

好きだった


あたしと宗一郎は小さいときから何をするのも一緒だった

近所でも学校でも有名なくらいに

「宗一郎君は葵ちゃんのことすきなの~?」

小さいときからよく聞いたこの言葉

その返事も何度も聞いた

「葵ちゃんはずっと一緒にいるだけだよ」

そう、宗一郎はいつもこういっていた

「じゃあ、好きじゃないんだ?」

「う~ん、どうかな」

その頃のあたしは

「宗一郎、好き!大好きー!」

「ありがと、葵ちゃん」

「宗一郎はあたしのこと好き?」

「よくわかんない」

「えー!好きじゃなきゃやだ!」

「まるでわがまま姫だね、葵ちゃんは」

あたしは多分好きでいることに疲れたんだと思う

どんなに好きでもそれを言葉にしても宗一郎は多分あたしのことを好きにならないと思ったから
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