好きと嫌いは神一重
それでもはぶかれるのは変わらなかった
そのうちクラスであたしとかかわる子はいなくなっていたあいつだけを除いて
「葵ちゃん、持つよ」
「いい、」
そう言ったのに
「あ、」
「女の子なんだから」
持っていたノートほとんどとられてしまい
「あたしが先生に頼まれてたんだから」
「だから全部はもってない」
「そうだけど」
決まってあたしが大変な時辛いときは必ず現れる
「あたしにかまわないで」
「かまってないけど?」
好きだから嫌いになったのにこれじゃ好きが戻ってくる
それからもあたしは宗一郎に嫌いと言葉にした
まるで自分に言い聞かせているように