好きと嫌いは神一重
幼馴染み
家に帰るともう向かいの部屋の電気の灯りがついている
「本当に最低」
あのとき言った言葉をふと思い出していた
「あんなこと言うやつじゃなかったのに」
どこでいつからこんな感じになってしまったのかわからない
物心つくことにはもう宗一郎といるのが当たり前のようなっていて
「宗一郎君遊びます」
「ましょうじゃないの?」
「ます!」
「はいはい、わかったよ葵ちゃんと遊びます」
家がお隣だからすぐ遊びに行っていたわたし、絶対いやとは言わない宗一郎
あの頃のあたしは宗一郎にべったりでいつも二人は一緒で
「宗一郎君好き!」
幼稚園の頃からあいつはモテ男だった
「え?ぼく?」
「うん」
「ダメ~!」
「葵ちゃん?」
二人にわってはいるあたし
「宗一郎君はあたしの!」
「なにそれ葵ちゃん、ずる~い」
「ダメったらダメなの!」
「葵ちゃん嫌い!」
「いいもん!あたしには宗一郎君がいるから」
「まったく、葵ちゃんは」