EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
バスルームに来る度、小鳥は思うことがある。
(広い!大きい!お掃除大変!)
アパートの狭いお風呂に慣れていたので、温泉旅館並に広いと落ち着かない上に掃除面積が倍になって大変だ。
しかし、文句を言っていても仕方ない。
愚痴をこぼす暇があるなら手を動かす方が利口だとわかっているので、風呂場用の掃除ブラシを使ってゴシゴシ擦る。
とその時、シャンプーやリンスが置いてある棚の傍に黄色いアヒルさんが一個、コロンと落ちているのを発見した。
「おもちゃのアヒルさん…?」
拾い上げ、観察する。
湯船に浮かべて遊ぶ、よくあるおもちゃのようだ。
「今まで見掛けなかったけど…。誰か買ったのかな?」
だとしたら一体誰だろうか。
(カロンさんかな?こういう可愛いの好きそう)
他の兄弟だとは考えにくい。
というよりアヒルさんとのツーショットが似合わないので考えられない。
(あ、でもオーレリアンさんなら可愛いかも)
なんて考えて小鳥がニマニマしていた時だった。
開いていた風呂場の扉からオーレリアン本人が姿を現した。