EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
「呼び捨て…」
ぷかぷか浮いてきたアヒルさんを手で受け取りながら小鳥は思い出す。
(そういえば、元カノさんがオーレリアンさんのこと“リアン”て呼んでたよね…)
自分もリアンと呼んでみたい。
そう思った小鳥はドキドキしながら聞いてみた。
「あの…じゃあ、リアンて呼んでもいい…?」
「は?」
心底驚いた表情で口をポカンと開けるオーレリアン。
「リアンの方が、呼びやすいと思うんだけど…ダメかな?」
「ダメ」
即答だった。
「僕の名前はオーレリアンだ。略すな。ちゃんと呼べ」
「愛称は嫌いなんですか…?」
怒りモードのオーレリアンを前に敬語に戻ってしまった小鳥。
ビクビクしながら尋ねると、彼はハッキリ言った。
「僕が母様からもらった名前は“リアン”じゃない。“オーレリアン”だ。略して許されるわけないだろ」
こだわるのはオーレリアン本人が自分の名前を気に入っているから。
なので省略されるのは気に食わない。