EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
「わかったら絶対リアンなんて呼ぶなよ」
念を押された小鳥だが、解せないことが一つ。
「……でも、元カノさんは呼んでました…」
「あの女にだって許可した覚えはない。勝手に呼ばれてたんだ。聞く度にイラツイてた」
「そう、ですか…」
「敬語」
「あ、すみません…!」
オーレリアンは呆れたように溜息をつくと泡を掻き分けて小鳥に近寄った。
(え、え!?)
急に肌が触れる程の距離まで迫ってきたオーレリアンに、小鳥は頬を赤らめて戸惑う。
「ねえ、なかなか抜けないならさ。罰でもつける?」
意地悪げな笑みを浮かべ、オーレリアンは小鳥の耳元で囁いた。
「敬語一回につき、キス一回」
「っ!?」
瞬間、視界いっぱいに映ったオーレリアンの顔。
チュッというリップ音が小鳥の唇で鳴った。
(き、キス!された!?)
しかもタオル越しに腰を抱き寄せられる。
突然のことに驚いた小鳥は慌てて一歩後ろに下がろうとしたが。
つるり――。
「ひゃっ!?」
「バカ危ない!!」