EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
今の自分にとって、何が一番重要か。
この状況において、自分が最優先すべきことは何か。
それらを瞬時に考えた結果、オーレリアンは小鳥を静理に任せると決めた。
(あいつの付き添いは僕じゃなくても大丈夫。けど、研究の方は僕じゃなきゃダメなんだ。わかってる。単純なこと……なのに…)
酷い後悔が押し寄せる。
自室へと向かう廊下で不意に立ち止まると、オーレリアンは唇をきつく噛んで壁を殴りつけた。
(どうしてこんなに後ろめたいんだ!?僕が付き添わなかったからって、あいつが死ぬわけでもないのに…!より大事なのは母様に繋がる明日の研究報告会だろ!?)
何も迷うことはないはずだ。
(なのに、心が…痛いっ!苦しい…!)
過去の罪がのしかかってくる時と感覚が似ている。
(ダメだ……今はあいつのこと…考えたくない…)
いつも心に思えば温かくなった。
けれど今は真逆だ。
母親を思う時と同様に、胸が凍えて死んでいく。