EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
「か、風邪に…!?」
なんと対象は人外。
ビックリして危うくカップを落としそうになった。
「そうだよ。できるものなら、僕がお前の中から全部残らず吸い出してやりたいんだけど」
「なんで、そんな…風邪なんかに…」
「だって、お前は僕の女だろ?お前を熱くさせるのも苦しめるのも泣かせるのも、僕じゃなきゃ嫌だ」
「えっ、泣いてないよ!?」
「目、潤んでる」
オーレリアンの指が小鳥の目元を撫でる。
その優しい指先にピクンと反応した小鳥。
カップの中が波立つ。
と、その時。
唐突にオーレリアンがこんな事をおねだりしてきた。
「ねえ、吸っていい?」
「え?あっ」
聞き返す間にオーレリアンが小鳥の手にあるカップをそっと奪う。
「吸いたくなった。無性に」
テーブルに邪魔なカップを置くと、オーレリアンは小鳥に抱き着いて柩に腰かけた。
彼の目も、小鳥同様潤んでいる。
さながら欲情したように。
「吸うって、血を…!?」
「他にないだろ。血以外の何を吸えっていうわけ?」
「だだだだめ!ダメだよ!私、風邪引いて…!」
「大丈夫。お前に負担はかけないから」
「そうじゃなくて!調子悪い私の血なんか飲んだら…オーレリアンに…風邪が移らない…?」