EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
「この状況で僕の心配?お前どんだけお人よしなんだよ」
苦笑しつつ小鳥の首筋をペロッと舐める。
「移ったら移ったで構うもんか。お前を独占されてるよりマシ」
牙が肌を掠めた。
ギュッと目を閉じ、これから来る痛みに堪えようとする小鳥。
その表情を見てオーレリアンはふと思った。
「……そういえば、お前には痛い噛み方ばっかりだったな」
緊張に震える小鳥を安心させるよう抱きしめて、オーレリアンは囁く。
「今日は、甘く噛んでやる」
「っ…!」
刹那、鋭い痛みが小鳥の首筋に走った。
かと思うと、痛みよりも吸われる感覚が強くなり始め、徐々にオーレリアンの唇と舌の感触だけが全てとなった。
(痛く、ない…けど…それよりもっ…!)
チュッと吸い付かれる感覚が恥ずかし過ぎる。
自然と小鳥の頬は熱くなった。
「ハァ…どう?」
血をこぼさないように舐め取っているオーレリアンに囁かれる。
しっかり抱きしめられていた小鳥だったが、いつもより色っぽい彼の声を聞いた瞬間、腰が抜けたようになりクタリと柩に身体を横たえてしまった。
「お前……感じ過ぎ」
横になった小鳥の身体に覆いかぶさるオーレリアン。
「痛くは…なかったよな?」
「ちょ、ちょっとだけ…かな?」
「そっか…」
ホッとしながら気遣うように優しく小鳥の髪を撫でる。
「ありがとう…。吸わせてくれて」
感謝をこめて頬にキスを送ると、オーレリアンは静かに小鳥から離れた。
「もう寝とけ。また後で様子見に来るから」
「うん…」
眠たげなとろんとした目で青い瞳を見上げる小鳥。
名残惜しいがオーレリアンは扉の方へ近づいた。
「おやすみ、小鳥」
「おやすみなさい…」
ガチャリと音がしてオーレリアンが出ていく。
瞼を閉じた瞬間、小鳥は眠りに落ちた。