EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
それから二、三日して小鳥は平熱に戻った。
五日もすれば完全回復し、いつもの元気な調子を取り戻したので兄弟達も一安心。
ご迷惑おかけしました、と皆の前で頭を下げ、小鳥はまた普段の生活を送るようになった。
さて、そんなある日。
刻一刻と近づくテスト期間のせいでクラヴィエ家の屋敷は戦場と化していた。
「カロン!ルカ!待ちなさい!!」
「げっ、静理が来た!」
「ルカ、あんたは真っ直ぐ行け。俺は左の廊下を全力で走る」
「わかった!ヤバくなったら図書室に立てこもる!」
「ん。じゃあ俺は廊下にバリケードでも作るかな」
「絶対生き延びろよ!カロン!」
「任せろ。俺の生命力はゴキブリ以上だぜ。たぶん」
ムチを振り回し追いかけて来る静理から逃げる二人。
なぜこうなったかというと、それはカロンの発言が原因だった。
――テストに向けてカンニングペーパーなるものを作る。同士は集まれ
堂々と、しかも教師である静理の前で言ったのがまずかった。
同士のルカと一緒に途中まで作ったカンニングペーパーを守りつつ、家中を駆け回るはめに。