EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
フェオドールがまた溜息をつく。
それと同時にバンッと勢いよく扉が開かれ、ルカが駆け込んできた。
「ねえ小鳥小鳥!カロンがスゴイもの作ったから見に来て!」
楽しげにニコニコしているルカに誘われる。
静理はどうしたと思いつつ、小鳥は首を傾げた。
「スゴイもの…?何ですか?」
「見ればわかるよ!すぐそこの廊下にあるから、おいでよ。急がないと静理に壊されちゃうかも」
一体何だろうか。
好奇心をくすぐられ、小鳥は箸を置いて席を立った。
他の兄弟達も興味本位について来る。
「ほら、スゴくない!?」
キッチンから出てルカが指差した廊下にはなんと、大量のぬいぐるみを積み重ねて築かれた「ぬいぐるみバリケード」が完成されていた。
「よっし。これで向こうから静理が来ても怖くねぇ」
作った張本人カロンが満足げにバリケードを見上げる。
背の高いカロンが積み上げただけあって天井まで届きそうな高さだ。
「こ、こんなにいっぱいぬいぐるみがあったんですか…?」
「箱に仕舞ってあったダチを全員集合させたからな。ざっとこんなもんよ」