EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
オーレリアンが本音でしゃべっているのを感じたアルトは、彼の言葉を胸に刻むため静かに目を閉じた。
そして、おもむろに瞼を上げる。
「わかった。アドバイスありがと」
照れ臭げに前髪を掻くオーレリアンに笑みを送りながら、いつもの調子を取り戻すアルト。
「んじゃ~早速、ルウトを追いかけることにしますか!お二人さん、デート楽しんで。バイバ~イ!」
大きく手を振って駆け出したアルトは見る見る小さくなり、人込みに消えてしまった。
「行っちゃったね。大丈夫かな?」
「平気だろ。あいつは打たれ強いアホ猿だからな」
褒めているのか、貶しているのか。
ニヤリと笑うオーレリアンを見て小鳥は褒めているのだろうと思うことにした。
「でも、ビックリしたな」
「は?何に?」
「オーレリアンがあんなこと言うなんて」
「ああ……クローンの話か?」
うんと頷いて見つめてくる小鳥からオーレリアンは気まずそうに視線をそらした。
「まあ…色々あって…。いずれお前にもちゃんと話すから、今は何も聞くなよ。僕の中でも上手くまとまってないし」