EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
13
†††
遊園地へ遊びに行ってから数週間が経った。
もう少しで長期休暇も終わる。
そんなある日。
小鳥はオーレリアンが屋敷のどこにもいないことに気がついた。
「オーレリアン?どこ?」
居間にも自室にも図書室にもいない。
(もしかして食堂かな?あっ、食糧庫にいる、とか…?)
あの悲惨な人間貯蔵庫を思い出してぶるりと身を震わせる。
「どうしたの?小鳥」
廊下をトボトボ歩いていたらルカに遭遇した。
「ルカくん、オーレリアンを見掛けませんでした?」
「オーレリアン?出掛けたみたいだけど。屋敷のセキュリティー切れてたから地上に行ったんじゃないかな?」
「地上に?」
「何の用事かはわかんないけど待ってればそのうち戻ってくるよ」
不安げな顔をする小鳥を元気づけようと、ルカは明るく話す。
小鳥は頷いたものの納得できない様子だ。
(いつも出掛ける時はどこに行くか教えてくれるのに…)
黙って外出されるのは初めてだったので戸惑ってしまう。
オーレリアンが帰ってきたのはその日、地上の夜が明ける頃だった。