EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
これには頷くべきか否か迷ってしまった小鳥。
なかなか頷かないのでオーレリアンは小鳥の頬をむにっとつまんだ。
「返事」
「うっ…うん…!」
「よし」
満足げに手を離す。
「じゃあ、そろそろ戻るか。日が昇る前に帰りたい」
「そうだね。戻ろうか。地下に」
来た道を歩き出す前に、オーレリアンはもう一度墓に向き直った。
「母様、また来るよ」
「私も一緒に来ます」
小鳥もそっとマリアンヌに話し掛ける。
墓は沈黙を守り何も語らない。
けれど、風がそよいだ。
それがマリアンヌからの返事のような気がして、小鳥は静かに目を閉じた。