EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
1
†††
「ハァ…うざいうざい」
自室にて独り言。
オーレリアンは脱力するように溜息を吐き出した。
「僕を選ぶとか…何考えてるんだか」
自分の名前が小鳥の唇からこぼれた時、一瞬だけ嬉しいとか思ってしまったのは何かの間違いだ。
そう心に言い聞かせる。
(僕はあんなのに関わってる暇なんてないんだ)
オーレリアンは乱暴に白衣を羽織った。
そして研究者の顔になる。
続いて眼鏡をかけようとした時、コンコンと部屋の扉がノックされた。
「誰?」
少し刺のある口調で問いながら扉を開けば、そこにはうっとうしいくらい元気な兄が。
「オーレリアン!」
「ルカ、か…。何?なんか用?」
「あのさ、今暇?暇ならちょっと付き合ってもらいたいんだけど」
「暇じゃない。他当たれ」
そう言って直ぐさま扉を閉めようとした時だった。
ルカが横を向いてこう言った。
「だってさ、小鳥。やっぱり買い出しは俺と行こう?」
「は?メスブタ?」
オーレリアンもルカと同じ方向を見る。
すると少し離れた廊下の曲がり角から、そわそわした様子でこちらを見ている小鳥が視界に映った。
(なんなんだよこの距離は。というか、なんでわざわざルカを間に挟むかな。イライラするっ)
「す、すみません。やっぱりオーレリアンさんは…忙しいですよね…」
離れた所でしゅんとしている小鳥に苛立ちながら、オーレリアンは彼女にツカツカと近づいた。