EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
(や、破り捨てた…!?マリアンヌさんの写真を!?)
口を挟まず聞いていた小鳥は唖然となった。
そんなことをされたらオーレリアンが怒るのは当たり前だろう。
しかし元カノは謝るつもりはないらしく、オーレリアンの剣幕におののきながらも気丈な態度でこう言った。
「リ、リアンが悪いのよ!彼女の私と一緒にいても母様母様って、そればっかりで…!いい加減嫌になるわよ!しかもその母親の写真をいつも大事に持ち歩いてるのよ!?れっきとしたマザコンよね。正直、引いたわ。忘れられない元カノの写真とかならまだ理解できるけど、よりによって母親!?ハッ、気持ち悪っ」
嘲るような「気持ち悪っ」を聞いて、小鳥の脳裏に数日前の光景が過ぎった。
母親の柩の前で祈るオーレリアン。
彼は小鳥が一緒に祈ると驚いていた。
――普通は傍観しないか?もしくは…気持ち悪がったり
(オーレリアンさんがあんなことを言ったのは、元カノさんに言われたことがあったから…?)
気にしていたのだろうか。
否、重要なのはそこではない。
あの光景を拒絶された経験がオーレリアンにはあった。
だから驚いたのだ。
小鳥がさも当然のように隣にいたことに。
一緒に跪いて祈ってくれていたことに。