EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
押し潰さないように気をつけて小鳥に擦り寄りながらオーレリアンは小さく胸の内をこぼした。
「嬉しかったんだよ…」
脳裏に蘇るのは、元カノと対峙した教室でのことや、柩の前で祈っていた時のこと。
「僕の弱い部分をなじるんじゃなくて、理解しようとしてくれたから…」
小鳥の耳元でハァと悩ましげな溜息をつく。
「あの女とは真逆だな、お前。あいつは自分の理想ばっかり僕に押し付けて、僕の中身なんか見ようともしなかったのに…」
「あの女って…元カノさん…?」
「元カノ、か…。なんか吐き気がする響きだなそれ」
「お名前、なんて言うんですか…?」
「忘れた」
「えっ…」
「……嘘。覚えてるけど……お前は知らなくていい。聞きたくないし」
拗ねたように頬を膨らませてからギューギュー抱き着いてくるオーレリアンにドキドキしていた小鳥だったが、ふと表情を曇らせた。
「元カノさんにも…こういうふうに甘えたんですか…?」