EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
ガチャリ。
居間の扉が開き、二人しかいなかった空間にルカとカロン、それから静理が入ってきた。
「お、小動物一人とかラッキー。来い来い。構ってやる」
「へ…?」
すぐ隣にオーレリアンがいるはずなのだが、一人と言われてしまった。
小鳥が首を傾げていると…。
「うわ!ビビった!いたのかよオーレリアン!」
ルカが部屋の隅っこにある椅子を見て肩をびくつかせた。
いつの間にかオーレリアンが離れたところに移動していたと気づき、小鳥も目を丸くする。
(えっ!?オーレリアンさん!?あの一瞬で、あんなところに!?)
「ルカうるさい。集中できないだろ」
しれっとした顔でノートパソコンと向き合っているオーレリアン。
どうやら小鳥に甘えている場面を他の兄弟には見られたくないらしい。
すっかり以前と同じ距離になってしまった。
(……変なの。さっきまでは離れて欲しかったのに、今はこの距離が寂しいなんて)
我が儘だなと思いつつ小さく苦笑していると静理が隣に座ってきた。
つい先程までオーレリアンが腰掛けていた場所だ。