EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
「でも、運動会で流れるような曲にも似てますね。走りたくなっちゃいます」
思わず駆け出したくなるようなノリ。
小学生時代の徒競走を思い出し、クスリと笑う。
足の遅い小鳥は大概がビリだったのであまり良い思い出ではないが。
「お前っ、兄様が弾く超絶技巧を聴いてその感想はないだろ!もっと感動しろ!もしくは褒めろよ兄様を!」
「うう…すみません」
そんなおしゃべりをしながら聴いていたら、あっという間に演奏は終わってしまった。
フェオドールと白魔の二人に周りから盛大な拍手が送られる。
ステージから降りた彼らを迎えに行こうとした小鳥とオーレリアンだったが、大勢のファンが行く手を塞ぎ全く近寄れなかった。
改めて白魔とフェオドールの人気を思い知る。
「この分じゃ当分、兄様には近づけないな」
大人オーレリアンが腕を組んでしかめ面。
するとその時、ステージの方からマイクを通して静理の声が聞こえた。
『続いてはクイズ大会を行います。参加したい方はステージに上がって下さい』
「は?クイズ?というかなんで静理が進行役やってるの?」
「お仕事…でしょうか?マイク持ってステージに立ってますね、静理さん」