EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
8
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それから少しして、アイスを食べ終わった小鳥達。
そろそろ静理が二人から離れようとしていたところにカロンとルカがやって来た。
「おーい!」
ルカの大声が人混みを掻き分ける。
「おー、いたいた」
ニヤニヤして近づいてきたカロンが気になったのか、静理が目つきを鋭くさせた。
「ん、静理もいたのか。丁度いいな」
「どうしたの、カロン」
問い掛けた静理に答えたのはルカだった。
「今ステージでコンテストやってるんだけどさ、静理出ない?」
「コンテスト?なんのだい?」
聞けば二人して顔をニヤつかせる。
弟達は声をそろえてこう言った。
「「女装コンテスト」」
「え…?」
静理の目が点になる。
会話を聞いていた小鳥とフェオドールも似たような反応をして驚いた。
「さっきまでは男装コンテストやってたんだぜ。優勝は蜜莉の姉貴だった」
美人でスタイルも良い野薔薇なら男の格好をしても決まるだろう。
優勝も頷ける、と小鳥が思っているとカロンがちびっ子フェオドールをひょいと担いだ。
「わっ…!?おろせ!カロン!」
「へいへい。ステージの上で降ろしてやるよ」
「俺は出ないぞ!女装コンテストなんて…!」
「えー、今のあんたなら優勝狙えると思うけど」