EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
間髪容れずに答えた白魔によると。
「温泉旅館、一泊二日ペア無料宿泊券プレゼント」
「え…?」
「優勝者へのご褒美だよ。行きたいじゃない?温泉」
白魔から同意を求められ、小鳥が曖昧な返事をしていると静理が最もな意見を言った。
「なら白魔が出ればいいんじゃないかな?行きたい人が頑張るべきだよ」
「無理さ。僕はその後のイケメンコンテストに出るからね」
「えっ、そんなのもあるの!?なら俺そっちがいい!女装よりマシ!」
よっぽど女装が嫌なのかルカが食いついた。
「イケメンコンテスト…そっちも楽しそうだな。けど女装も面白そうだし…なあ白魔、両方出んのあり?」
「無しだよカロン。参加者の条件として、一つ出場したら他のコンテストには出られないって決まりがあるからね」
「マジか……悩む」
白魔の情報によると、女装コンテストもイケメンコンテストも優勝商品は同じで、温泉の無料宿泊券なのだとか。
優勝狙いでいくならば、女装コンテストがダメだった時を考えてイケメンの方にも参加したい。
というわけで、二手に分かれるべくクラヴィエ兄弟による恨みっこ無しのジャンケン大会が始まった。
(なんでそうまでして温泉に行きたいのかな…?)
ジャンケンを見守る小鳥は一人呑気にそんなことを考えていた。