EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
さて、それからステージ前へと移動した一行。
まだ子供のままのフェオドールが心配な小鳥だったが、本人や兄弟達はそのことに関して全く気にしていないようだった。
それよりも、彼らにとって今重要なのは一泊二日の温泉旅行だ。
ステージ上ではマイクを持った二人の司会者がコンテストを盛り上げている。
『はいはーい!お待たせしました!続いては女装コンテスト!もうすぐ始まるからまだエントリーしてない人はお早めにね!』
『司会は僕達mystic poisoningの蜜莉とアルトが担当します。よろしくね』
元気の良いアルトと、落ち着いて自己紹介をする蜜莉。
見知った二人の司会者にカロンがピクリと反応した。
「あ?もしかして、俺も仕事…?」
アイドル仲間を見上げて考えていると、アルトの目がカロンを発見した。
『ああっ!カロ~ン!!やっと来た!』
『何してたの?今日は僕達三人で司会の仕事でしょ』
「あー…マジか。すっかり、スッポリ」
『抜けてたんだね。僕、メールしたんだけど。見た?』
怒っている蜜莉にちょっぴりビクビクしながらカロンはメールを確認する。
「……うわ、スゲー件数だなおい」