EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
些細なことだが、その時だけは女として見られていると確信できるので小鳥は嬉しかった。
「ん……」
従順に、彼の穏やかなキスを受け入れて。
ちょっと反抗的に、彼の激しいキスを受け止めて。
気づけば小鳥はフェオドールに押し倒されていた。
「フェ、オ…さ……ここじゃ…」
「嫌?なら、どこでならいいの?」
「やめるっていう…選択肢は…」
「……ごめん。それはないかな」
小鳥の耳に顔を寄せ、低く囁く。
「君がカロンなんか見てるから……わからせたくなった」
俺がいるのに、
俺を一人ほったらかしにして、
俺の寂しさに気づかないで君は――。
フェオドールの中で黒い炎が渦巻く。
「ねえ…俺に火をつけたのは君だよ。付き合ってくれるよね?」
脅しのようにも聞こえたこのセリフに小鳥はただ頷くしかなかった。
「ん……いい子」
甘くこめかみに口づけられる。
その快感に身を震わせながら、小鳥は彼の「甘え」に思考を奪われた。