EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
愛しい女性を貪り尽くすように抱く。
それがフェオドールの抑えられない愛情表現の一つ。
あれから彼は小鳥を強欲に求めた。
そして彼女が激しさに耐え切れず、とうとう意識を手放すと、額にそっと口づけを送った。
「好きだ…」
だから、ごめん。
そう囁いて、更に小鳥を求めようとしたその時。
「ちょっと、ここでまだやる気なの?いい加減にしてよ」
居間に響いた辛辣な声。
扉に寄り掛かって忌ま忌ましげに二人を見つめていたのは白魔だった。
「せめて自分達の部屋に行きなよ。それとも君達には公開プレイの趣味でもあるの?」
「……べつに」
「べつにって何さ」
「べつに、俺は気にしないが…」
「フェオドールって紳士の皮を被ったケダモノだよね。小鳥は気にするからやめた方がいいよ」
嫌われたくないならね、と続いた言葉にピクリと反応する。
フェオドールはゆっくりと小鳥の上から起き上がった。
「全く…血も吸ったでしょ。甘美な香りが鼻をくすぐって仕方ないよ」
「ああ……かなり」
「だから途中で気絶しちゃうんだよ。もっと自重したら?」
「……やけにアドバイスしてくれるんだな」
「僕のプリマドンナを壊されたくないだけさ」