EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】

明日のパーティーと聞いてフェオドールはふと思い当たった。

「それってまさか…音楽愛好家の…」

「うん。なんだ知ってたの?なら君も誘われた?」

「招待されたが…行く予定はなかった」

音楽好きで有名な金持ち女性、水堂(みどう)夫人が主催する音楽愛好家のためのパーティー。

集う連中は演奏家や作曲家、音楽評論家など様々だ。


「行かないなら貸してくれるよね?小鳥のこと」


「………嫌だ」


独占欲は強いのだ。

誰が貸すものかとフェオドールはよりきつく小鳥を抱きしめる。


(フェオさん…)


その腕の強さが嬉しくて小鳥は微かに微笑んだ。

白魔はというと、やれやれと軽い溜息を一つ。


「そう……なら仕方ないね。君を脅迫して、従わせようか」



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