EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】

そのメモリースティックにはフェオドールが小鳥に関して集めたあらゆるデータが保存されている。

しかも本人に見られるのはちょっと、否かなり恥ずかしい代物に出来上がっているからマズイ。

「少し見ちゃったんだけどさ、これヤバイよね。盗撮?どっからこんな映像入手したのさ。あ、うちの防犯カメラか」


(盗撮…!?映像って…一体なんの…!?)


内心で慌てる小鳥はこの時までフェオドールの本質に気づいていなかった。

フェオドールという人物は興味のないものに対しては本当に無関心だが、好きなものはとことん突き詰めるという癖がある。

薔薇の研究しかり。

ヴァイオリンの演奏技術もしかり。

その癖は好きな子にも当てはまる。

小鳥が一日何をしていたか、自分の知らないところでどんな行動を取っていたか、彼女のことを全て把握しておきたいがため毎日のデータを家の至る所についている防犯カメラから入手している。


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